しゃべれども
しゃべれども

しゃべれどもしゃべれども

落語家のお話

次にご紹介するのは国分太一さん主演、香里奈さんがヒロインで出演している2007年に公開された『しゃべれども しゃべれども』という作品をご紹介して行きましょう。落語家として活動しているとある男性の元にそれぞれ特有の悩みを抱えた変わり者の男女が集まってきて、そこから悩みを解決するためにしゃべり方を改善して行こうとするお話となっています。先ほどの輪廻と違って今回のはほのぼの系の作品ですね、緩急付いて良いことなのでじゃんじゃんあらすじを説明してきましょう!!

あらすじ
個展を愛してやまない二つ目の落語家として活動している今昔亭三つ葉は、自身の落語の実力が思うように伸びないことでスランプの時期に入ってしまい、煮え切らない日々を過ごしていた。そんな時、彼の元にそれぞれが特有の悩みを抱えた変わり者の男女3人が彼の元に現れる。無愛想で口下手な美人の十河五月、勝気なためにクラスになじめない大阪から引っ越してきた少年の村林優、毒舌でいかつい面相の元プロ野球選手の湯河原太一が自身のコンプレックスを解消するために弟子入りを名目にして、自分磨きにやってきた。三つ葉は三人のために祖母の春子と二人で暮らしている自宅で教室を開くことにしたが、三人は集まるたびに口論を繰り広げることになってしまい、中々落語を覚えられない時間が流れることになってしまった。この状況に苛立ちを隠すことのできない三つ葉だったが、そこへ追い討ちをかけるように密かに思いを寄せていた春子の茶道の生徒である村林の叔母である郁子が、来年結婚するという事実を知らされるようになってしまったのだ。落ち込む三つ葉であったが、尊敬する支障でもある今昔亭小三文の落語を寄席で聞いて、改めて自分には落語しかないと実感して再出発することを決意する。そして小三文から一門会の開催を聞いた三つ葉は、師匠の十八番『火焔太鼓』に挑戦することを決めるのであった。
その頃、十河と村林の二人も『まんじゅうこわい』を猛練習するようになり、一門会に向けて着々と準備を進めていった。そして迎えた当日、前日の馬鹿騒ぎの影響で二日酔いとなってしまった三つ葉であったが、見事な落語を披露して大いに沸かせ、そして十河と村林の二人も発表会で『まんじゅうこわい』を見事にやりきったことで、同席していた湯河原ともども、自分の殻を打ち破ることに成功したのだった。

キャスト

  • 今昔亭三つ葉(外山達也): 国分太一
  • 十河五月: 香里奈
  • 湯河原太一: 松重豊
  • 村林優 : 森永悠希
  • 外山春子 : 八千草薫
  • 今昔亭小三文: 伊東四朗
  • 実川郁子: 占部房子
  • 末広亭の師匠: 外波山文明
  • 今昔亭六文: 建蔵
  • 今昔亭三角: 日向とめ吉
  • 八重子: 青木和代
  • 十河厳(五月の父):下元史朗
  • 十河みどり: 水木薫
  • 「とり久」のおやじ(湯河原の義兄):三田村周三
  • ほおずき屋のおやじ: 原金太郎
  • 柏屋ちまき:山本浩司
  • 冬風亭みぞれ: 安倍照雄
  • 橘屋ごまめ: 中村靖日
  • 焼き鳥屋の客:飯田基祐、椎名泰三
  • 近所のお婆さん:五月晴子
  • アナウンサー:織田優成
  • 常連客:豊田達也
  • 師匠:佐々木史朗、福岡芳穂、福島聡司
  • 宮田:堀越光貴
  • 村林恭子(声):岩本千春
  • ウグイス嬢(声):松村真子
  • アナウンサー(声):池田宜大、大塚和彦

スタッフ

  • 原作 : 佐藤多佳子(新潮社文庫)
  • プロデューサー : 小川真司
  • プロデューサー : 渡辺敦
  • 監督 : 平山秀幸
  • 脚本 : 奥寺佐渡子
  • 音楽 : 安川午朗
  • 撮影 : 藤澤順一
  • 美術 : 中山慎
  • 照明 : 上田なりゆき
  • 録音 : 小松将人
  • 落語監修・指導 : 柳家三三
  • 落語監修・指導 : 古今亭菊志ん
  • 主題歌 : ゆず「明日天気になぁれ」

作品について

香里奈さんとは思えない役を演じています。しゃべりベタで無口な女性という、トップモデルとして活躍している香里奈さんからは想像もつかないような劇中の姿を見て唖然とした人もいるのではないでしょうか。そして劇中ラストに繰り広げられる落語を熱演している香里奈さんも、まるで想像つかないでしょうがこれもまた言い味を出しているんです。周囲にいるベテラン俳優にも負けていないその女優魂は、まさしく香里奈さんの女優としての領域を広げることになった開拓史ともいえるのではないでしょうか。

演技の世界において固定な役を演じ続けてしまうと、どうしても固定観念が生まれてしまうものだ。そうなると一定の役しか演じることができないと一般視聴者から見られがちになってしまうので、そうなると仕事の幅も狭くなってしまうでしょう。そういうときにどうしたら良いのかというと、やはり一般的に根付いている印象をぶち壊すことで新しい道を切り開く、ということが必要になってきます。そして見事演じきったことでファンを増やすこともでき、また自身の可能性を更に広げることもできるようになるのかもしれません。

演技の世界というのはどうしても華やかな面ばかりが注目されがちになりますが、その分役者に求められるのは高度な表現力といえるでしょう。もちろん香里奈さんはモデルとして活動していますから、普通に役者の卵として活動している人と比べたら圧倒的に経験というものは差があるでしょう。しかし邁進などをしているとあっという間に後ろに追い抜かれてしまうということも十分にあります。特に女優ともなると新人の台頭が激しいために、あっという間に世間の陰に隠れてしまうなんてざらにある話ですから、個々人に求められてくる女優としての格も磨かなければいけないということです。人気があるからと言って安定的に仕事が舞い込んでくるわけではない、どこの世界においても同じことなのかもしれませんね。

筆者は香里奈さんに対しては比較的好感を持っています。美人だ、ということを差し引いても香里奈という女優さんには大きな可能性を感じるときがあります。素人目線ですが、香里奈さんが演じている姿は何故だが嫌味を感じるような瞬間がほとんどないからです。女優という職業についていると、やはり華やかな環境だということもあって傲慢になる人がいてもおかしくないでしょう。そういう話を求めて探してみると根掘り葉掘りとドンドン沸いて出てきますから、所詮こんなもんだよねと思ってしまいます。結局人間度が過ぎればこういうことになるんだねと、とつくづく思ってしまいます。

それに対して香里奈さんは、作品を拝見するごとに演技が上手になっていくのを感じます。元々持っている女優やモデルとしての表現力がずば抜けているということを差し引いても、彼女がここまで活躍の場を広げられるのは、やはり本人が一番努力していることに他ならないだろう。そうでなければ安定的に仕事も舞い込んでくることはないですし、モデルとしたトップの地位を何年も維持することもできないでしょう。他にもモデルから女優に転進した人は山ほどいますが、香里奈さんのように今でもモデルとして活躍しながら女優業をこなしている人は一握りしかいません。香里奈さんがこうした演技力を持っているのは、本人が兼ね備えているセンスと、そして絶え間ない努力なのかもしれませんね。